顎ニキビができるのはなぜ?原因や悪化要因、正しい対処法を紹介
顎周りのニキビは、目立つうえに隠しにくいもの。さらに痛みを感じるくらい悪化したり、せっかく治ったと思っても再発したりすることも多い傾向にあります。
なぜ顎ニキビができるのか、顎ニキビができたらどうしたらよいのかと困っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、顎ニキビができる原因や対処法などについて紹介します。
顎ニキビができるメカニズム
顎ニキビに限らず、ニキビは「コメド(面ぽう)」ができるところから始まります。コメドとは、何らかの原因で皮脂の分泌量が増え、皮脂が毛穴に詰まってしまったものです。小さく目立ちにくいですが、手で触るとザラザラします。
コメドの段階では痛みなどの症状を感じることは少ないですが、適切にケア・治療しないとコメド内でアクネ菌が増殖してニキビが悪化し、治すのが困難になる恐れがあります。
顎ニキビができる原因とは?
では、なぜ顎にニキビができてしまうのでしょうか。適切に対処するためにも、顎ニキビができる原因を把握しておきましょう。
顎ニキビができる主な原因は乾燥
顎は皮膚が薄めで汗腺(汗を出す器官)が少なく乾燥しやすい部位です。その一方で皮脂腺(皮脂を出す器官)が多い部位でもあるため、乾燥した状態が続くとうるおいを与えようとして、必要以上に皮脂が分泌されがちです。
そのため余分な皮脂が毛穴に詰まりやすく、コメドができたりニキビが悪化したりしやすい傾向にあります。
顎が刺激を受けやすい場所であることも原因のひとつ
顎は何かを考えるときに手を当てたり頬杖をついたりと、無意識に触ってしまいやすい場所です。
また、マスクや洋服、マフラーなどが擦れたり、産毛剃り・ひげ剃りをしたり、何かと刺激を受けやすい場所でもあります。そのため毛穴に雑菌が入りやすく、ニキビができたり悪化したりしがちです。
胃腸などの内蔵機能が低下して顎ニキビができることも
内臓の機能が低下すると、体内から毒素や老廃物が排出されにくくなったり、体に必要な栄養が吸収されにくくなったりします。
そうして体内に余計なものが溜まると、体がそれらを外に排出しようとして、ニキビができることがあるといわれています。
女性は生理や妊娠も顎ニキビの原因に
女性は生理や妊娠によってホルモンバランスが大きく変化します。とくに生理前や妊娠中に分泌される黄体ホルモンには、皮脂の分泌を促進する作用があるため、顎ニキビができやすくなることがあります。
顎ニキビの種類
ニキビはいくつかの段階を経て悪化していきます。悪化するとキレイに治すのが難しくなるため、早いうちからケアや治療を開始することが大切です。ニキビの種類と特徴を把握し、初期の段階で適切に対処できるようにしておきましょう。
初期段階の白ニキビ
白ニキビはニキビの初期段階です。毛穴のなかに皮脂が詰まり、プツッと白い点のような状態になります。
白ニキビは痛みがほとんどなく、それほど目立ちません。しかし、毛穴の内部では毛包(毛根を包む組織)が広がり、ニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖し始めているので、放置すれば悪化する恐れがあります。そのため、白ニキビの段階でケアや治療を始めることが重要です。
白ニキビが酸化してできる黒ニキビ
白ニキビの毛穴が開いて、内部の皮脂が酸化すると黒く見えます。これがいわゆる黒ニキビです。皮脂が酸化してるだけで炎症が起きているわけではないため、やはり痛みは感じません。
しかし、ホクロやシミなどに見えることもあり、白ニキビより目につきやすいので、早めにケアを開始しましょう。
炎症を起こした赤ニキビは痛みやかゆみを感じることも
赤ニキビは、コメドができた毛穴が炎症を起こして赤く腫れた状態です。毛穴の内部で増殖したアクネ菌が生成する物質の炎症作用によって、毛穴が腫れてしまいます。
白ニキビや黒ニキビの段階で痛みを感じることはほとんどありません。しかし、赤ニキビは炎症を起こしているため、痛みやかゆみなどを感じることもあります。
患部が化膿した黄ニキビ
黄ニキビは、赤ニキビがさらに悪化して患部が化膿した状態です。アクネ菌が生成した酵素が毛包壁を破壊して周囲に炎症物質を広げるため、黄ニキビ周辺に新たなニキビが増えることもあります。
適切にケア・治療しないとニキビ跡ができ、肌を元の状態に戻すのが難しくなる恐れがあります。
顎ニキビが悪化する理由とは?
顎ニキビが赤ニキビや黄ニキビまで進行すると、非常に治りにくくなってしまいます。そのため、できるだけ早く対処することが重要なのですが、そもそもなぜ顎ニキビが赤ニキビや黄ニキビまで悪化してしまうのでしょうか。ここでは顎ニキビが悪化する理由を解説します。
ストレス
ストレスは顎ニキビを悪化させる大きな要因になります。ストレスが溜まると交感神経が優位になり、男性ホルモンの分泌量が増えるためです。
男性ホルモンには、皮脂を過剰に分泌させたり角質の柔軟性を失わせたりする作用があります。そのためストレスを感じて男性ホルモンの分泌量が増えると、毛穴が詰まりやすくなってニキビが悪化するのです。
栄養が偏った食生活
栄養が偏った食生活もニキビの原因になります。とくに糖質や動物性脂肪が多い食品、インスタント食品などは皮脂の分泌を増やすため注意が必要です。皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まりやすくなるので、ニキビが悪化する恐れがあります。
反対にダイエットなどで食事を制限しすぎるのもよくありません。「痩せる」といわれている食べ物だけを食べ続けたり、極端に食事量を減らしたりすると、健康な肌の維持に必要な栄養が不足してニキビができたり悪化したりする場合があります。
睡眠不足
睡眠中は肌の修復やターンオーバーに関わる成長ホルモンが分泌されるため、睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が乱れ、肌のターンオーバーも乱れます。
すると肌の新陳代謝がスムーズに行われにくくなり、肌表面に古い角質が残って厚くなり、毛穴に皮脂が詰まりやすくなります。
紫外線
紫外線を浴びるとニキビの炎症が悪化する恐れがあります。アクネ菌が分泌する物質に紫外線が当たると、活性酸素が大量発生して炎症を促進させるためです。
また、紫外線などの外部刺激から肌を守ろうとして角質が厚くなるため、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが発生・悪化する場合もあります。
マスクの着用
マスクを長時間つけっぱなしにすると、マスクで擦れてニキビが刺激されます。また、マスク内部が蒸れてアクネ菌が増殖しやすくなるため、ニキビが増えたり悪化したりする恐れがあります。
顎ニキビができたらどうしたら良い?セルフケアの方法を紹介
顎ニキビはストレスや生活習慣の乱れで悪化します。悪化すると治すのが難しくなるので、日頃からきちんとケアして顎ニキビが発生・悪化しないようにしましょう。具体的には何をしたらよいのか、顎ニキビのセルフケア方法を紹介します。
ニキビケアの基本はていねいな洗顔
顎ニキビに限らず、ニキビケアの基本はていねいな洗顔です。毎日きちんと顔を洗い、肌についた汚れや余分な皮脂を落としましょう。ゴシゴシとこすったりニキビを潰したりすると肌がダメージを受けるので、洗顔料をしっかり泡立てて、泡でやさしく洗ってください。
メイクをした日は、洗顔前にクレンジングを行ってメイク汚れを落としましょう。ポイントメイクまで一気に落とそうとすると肌を擦りやすいので、あらかじめ専用のリムーバーで落としておくのがおすすめです。
また、洗顔料が残るとそれがニキビの原因になることがあるので、すすぎ残しがないようによくすすぎましょう。髪の生え際などは洗顔料が残りやすいので注意が必要です。
熱いお湯を使うと必要な皮脂まで流れて肌が乾燥するので、すすぎの際には32℃程度のぬるま湯を使いましょう。
洗顔後はしっかり保湿する
皮脂が増えそうだからといって洗顔後に保湿ケアをしない人がいますが、保湿ケアをしないと肌が乾燥しやすくなります。
肌が乾燥すると、かえって皮脂の分泌が増えてニキビができやすくなるので、洗顔後はきちんと保湿することが大切です。とくに皮膚が薄い顎は乾燥しやすくニキビができやすいので、自分の肌質や今の肌の状態に応じたスキンケアを行い、しっかり保湿しましょう。
ヒアルロン酸やセラミドなどの、保湿力が高い成分が配合されたスキンケア製品を使うのもおすすめです。
ノンコメドジェニックテスト済みのスキンケアを使用する
ニキビが気になるときは、ノンコメドジェニックテスト済みの化粧水や乳液などを使うのもよいでしょう。ノンコメドジェニックテストとは、コメドができにくい製品かどうかをチェックするためのテストです。
ノンコメドジェニックテスト済みのスキンケア製品は、アクネ菌のエサとなる油分が少なめなので、顎ニキビ防止に役立ちます。
ただし、あくまでも「ニキビができにくい」なので、絶対にニキビができないわけではありませんが、皮脂の分泌量が多い脂性肌の方は試してみるとよいでしょう。
ニキビ予防や治療で効果的な成分を取り入れる
ニキビ予防や肌荒れに効果的な成分が配合された薬用スキンケア製品や、栄養補給としてサプリメント、治療として医師の診断によっては内服薬を処方されるなど様々な方法があります。
肌に塗布する薬用の成分でニキビを防ぐ効果が期待できるのは、下記のようなものです。
・イソプロピルメチルフェノール:薬用せっけんなどに含まれ、主な目的は皮膚を清浄・殺菌
・グリチルリチン酸ジカリウム:肌荒れ、あれ症に。薬用スキンケア全般に含有されていることがある
・ビタミンC誘導体:本成分が含まれている薬用スキンケアの目的としては、メラニンの生成を抑えしみ、そばかすを防ぐためのアイテムがほとんど
食事だけでは摂りづらい栄養補給サポートとして、まずは手軽に始めたいという方にとっておすすめなサプリメントでは、下記のような成分が含まれているものをチェックしてみましょう。
- ビタミンB群
- ビタミンC
※いずれも栄養補給として
また市販薬を購入するという方法もあります。主に第3類医薬品で多く見られるL-システインは、シミ・肌荒れなどの改善として配合されていることもあり、お薬によってはビタミンB群やビタミンCも一緒に含まれているものも販売されています。
処方された医療用医薬品を服用する場合は各症状により異なりますが、下記のような治療目的を持った医療用として濃度の高いお薬を処方されることが多いです。
・ビタミンB群:皮膚や粘膜を健康に保つ
・ビタミンC:メラニンの生成を防ぐ
・L-システイン:肌代謝を正常化する
顎ニキビを触らないようにする
顎ニキビを触ると、その刺激で悪化する恐れがあります。何となくニキビが気になって顎を触ったり、頬杖をついたりするクセがある場合は直すようにしましょう。
肌に髪が当たる刺激もニキビの発生・悪化の原因になるので、短くしたり結んだりして顎に当たらないようにします。
また、マスクを着用する場合は擦れないないように自分に合ったサイズのものを選び、不要なときはこまめに外しましょう。
ストレスを発散する
ストレスが過剰に溜まるとホルモンバランスが乱れ、皮脂が過剰に分泌されることがあります。
ストレスが溜まりすぎないように、趣味に没頭したりリラックスして過ごしたりと、気分がスッキリしたり前向きになったりするような時間を設けましょう。
食生活を見直す
偏った食生活はニキビの発生・悪化の原因になるため、栄養バランスが取れた食事を取ることも重要です。
とくに健康な肌を維持するのに必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルなどを積極的に取るのがおすすめです。皮脂の分泌を増やす糖質や動物性脂肪が多い食品の取り過ぎにも注意しましょう。
質の良い睡眠を取る
睡眠不足が続くと肌のターンオーバーが乱れてニキビができやすくなるため、質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。下記のような習慣を身につけると、睡眠の質が上がりやすくなります。
・就寝の2~3時間前くらいに入浴する
・就寝の1時間前くらいからはスマートフォン・PCなどに触らない
・カフェインの摂取を控える
・心地よい室温・寝具で睡眠環境を整える
・毎日同じ時間に起床・就寝する
・朝起きたら日光を浴びる など
紫外線対策を徹底する
紫外線はニキビの発生・悪化の原因になるため、年間をとおして紫外線対策を行うことが大切です。
日焼け止めは毎日塗り、日傘をさしたり帽子を被ったりして、できるだけ肌に紫外線が当たらないようにしましょう。
顎ニキビを繰り返すのはなぜ?
セルフケアをがんばった結果、顎ニキビが改善しても、しばらく経つとまた顎ニキビができることがあります。
何度も顎ニキビができるのは、もともと顎が必要以上に皮脂が分泌されたり外部刺激を受けたりしやすく、ニキビができやすい場所だからです。
さらに内臓機能の低下やホルモンバランスの乱れなども影響するなど、さまざま要因が絡み合って顎ニキビができるため、一度治っても再発することが多い傾向にあります。
顎ニキビを繰り返さないようにするには、顎ニキビが治った後も規則正しい生活やていねいな洗顔などのケアを続けることが大切です。
顎ニキビができやすい人は首・デコルテにも注意
顎ニキビができやすい方は、首やデコルテにもニキビができやすい傾向にあります。顎と同じく首やデコルテも、手で触れたり衣類が擦れたりしやすいからです。
首やデコルテにニキビができるときも、顎ニキビができたときと同じようにケアしましょう。
顎ニキビが治らないときは医療機関を受診しよう
顎ニキビは症状が悪化しやすく治りにくいうえに、再発もしやすいやっかいなニキビです。いろいろな対処法を試してもニキビが治らないときや、何度も再発を繰り返している場合は、皮膚科を受診することも検討しましょう。
ニキビは尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気なので、「ニキビ程度で」とためらう必要はありません。
医療機関では「毛穴の詰まりを解消する」「アクネ菌を殺菌する」など、一人ひとりの状態に合わせた治療法を提案されるため、効果を感じやすいというメリットもあります。
さらにニキビを治すだけでなく、ニキビができにくい肌を目指すこともできるので、医師に相談してみましょう。
顎ニキビに関するQ&A
ここでは顎ニキビに関するよくある質問と回答を紹介します。
治療に健康保険は適用される?
顎ニキビをはじめとするニキビは皮膚疾患なので、医療機関で治療を受ける際には健康保険が適用されます。
ただし、ケミカルピーリングやレーザー治療などの保険適用外の治療もあります。この場合は費用が全額自己負担になるので、事前にいくらくらいかかるのかを確認しておきましょう。
顎ニキビの治療期間はどれくらい?
ニキビ程度なら1週間、長くても1ヶ月あれば治るだろうと思っている方も多くいます。しかし、赤ニキビや黄ニキビの場合、炎症が治まっても周囲にコメドが残っています。
短期間で治療を終了すると再発する可能性が高いので、少なくとも3ヶ月を目安に治療を継続し、ニキビができにくい肌を目指すのが理想的です。
顎ニキビがしこりになる原因や治し方は?
何度も顎ニキビを繰り返すと、炎症を起こした箇所の皮膚の修復が過剰になり、皮膚の一部が線維化してしこりになることがあります。しこりになった場合、セルフケアでの改善は困難です。
どうしても気になる場合は皮膚を切開してしこりを取り除く必要があるため、適切な治療を受けて何度も顎ニキビを繰り返さないようにすることが大切です。
顎ニキビのケアならクリニックフォアビューティーオンラインショップへ
顎ニキビは、主に皮膚の乾燥やホルモンバランスの乱れなどが原因で発生します。悪化すると治りにくく再発しやすいため、日頃からニキビを発生・悪化させないようケアすることが大切です。
クリニックフォアビューティーオンラインショップでは、ニキビやニキビ跡ケアに役立つスキンケア製品、ドクターズコスメ、サプリメントなどを取り扱っています。繰り返す顎ニキビにお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
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