足にできるニキビや吹き出物の原因は?ケア方法・治し方を解説
足にニキビのようなものができてしまい、悩むことがあるかもしれません。実はニキビは顔だけでなく足にもできることがあります。
しかし、足のできものはニキビではない皮膚疾患の可能性があり、その正体によって対処法や治療法も異なります。
そこで今回は、足のニキビの対処法、予防法や、ニキビ以外の可能性について詳しく解説します。なお、自分の症状がどれに当てはまるのかわからない場合や、治りが遅いようであれば、早めに医療機関の受診を検討しましょう。
足にもニキビはできるの?
そもそも、足にもニキビはできるのでしょうか?まずは足のニキビの基本的な情報を見ていきましょう。
足にも毛穴があるためニキビはできる
ニキビは皮脂や汚れが毛穴につまり、アクネ菌が繁殖することで発生します。つまり、毛穴がある部分なら、どこにでもニキビができる恐れがあるのです。
足にももちろん毛穴があるため、ニキビができてしまう可能性があると言えるでしょう。
なお、足の場合は、すねや膝にニキビができることが多いようです。
足にできたニキビの治療方法
足にできたニキビは、顔にできたニキビと同じように外用薬で治療するのが効果的です。
外用薬には、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌、抗菌作用があるものや、炎症を抑える作用のあるものなどがあります。また、内服薬を併用するケースもあります。ニキビに効果が期待できる内服薬としては、ビタミン剤や抗生物質が挙げられます。
なお、ニキビの治療薬は市販のものもあれば、医療機関で処方してもらえるものもあります。症状によって適した成分も異なるので、医療機関で処方してもらうか、市販薬を購入する際は薬剤師に相談するのが良いでしょう。
他の皮膚疾患の可能性も
ニキビはぽつんと単体でできることが多く、においはないことが特徴です。炎症していると赤く、炎症していない場合は白っぽい色味になる点は、他の場所にできるニキビと同様。
しかし、足にできるできものは、ニキビよりも他の皮膚疾患の可能性のほうが高いです。たとえば毛嚢炎、粉瘤などが挙げられます。症状によって対処法や治療法が異なるので、正しく症状を見分けることが重要です。
ニキビ以外の皮膚疾患については後述します。
足のニキビの対処法・予防法
もし足にニキビができてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか。対処法や予防法は以下の通りです。
足を清潔に保つ
過剰な皮脂や毛穴づまりはニキビの原因となるため、足を清潔に保つことが大切です。ただし、洗いすぎて必要な皮脂を落としてしまうと乾燥し、かえって多くの皮脂が分泌されることになるため、注意が必要です。
洗うときは、顔と同じようにやさしく洗います。やわらかいボディタオルで洗うか、せっけんを泡立てて手で洗うのがおすすめです。
保湿をしっかりとする
足を清潔にした後は、しっかり保湿することも大切です。乾燥した肌は、足りない水分を補うために皮脂の分泌を増やします。また、肌のターンオーバーの周期が乱れ、古い角質が残ることで角質が厚くなりやすいのです。これらはいずれもニキビの原因となるものです。
そのため、足を洗った後はタオルでやさしく水分をおさえ、すぐに保湿するようにしましょう。
生活習慣を見直す
生活習慣の乱れによってニキビができることも多いです。油分や糖分を多くとると皮脂の分泌が増えることがあるため、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
特に、脂質の代謝を促進し、肌の調子を整える効果が期待できるビタミンC(ブロッコリーや果物など)や、ビタミンB群(納豆やアボカドなど)を積極的にとりましょう。
ほかにも、適度な運動で血流をよくしたり、お肌の修復・生まれ変わりがスムーズにいくように十分な睡眠をとったりすることをおすすめします。
刺激から守る
衣類の摩擦や、寝具選びにも気をつけましょう。衣類については、足はストッキングやズボンなどの化学繊維で刺激を受けやすいです。化学繊維は吸水性が低く速乾性が高い特徴を持つため、皮膚に汗などが残りやすいです。また、発熱機能がある肌着は水分を吸収して発熱するため、乾燥しやすい特徴を持つため、綿素材のような通気性や吸湿性がよく、肌触りもよい素材を選ぶのがおすすめです。
医療機関を受診する
ニキビは、軽度であれば自然と治ることもありますが、治ってはできてを繰り返し、完治するまでに時間がかかることも多いです。顔にできたニキビがなかなか治らず、気付くと跡になってしまったという経験を持つ方も多いでしょう。ニキビができた場合は、部位に限らず早めに医療機関を受診するとよいでしょう。
また後述するように、ニキビではなくなんらかの皮膚疾患である可能性もあるため、自己判断で放置するのはおすすめできません。
【症状別】足にできたできものの原因と治療方法
ニキビだと思っていたものが、実は全く違う皮膚疾患であるケースもあります。ここでは、ニキビに似ている皮膚疾患について見ていきましょう。
化膿性汗腺炎
化膿性汗腺炎は、汗腺(アポクリン汗腺)や毛包(毛根を包んでいる部分)の異常によって毛包が炎症し、痛みを伴う結節(しこり)や、膿が溜まる状態を繰り返すものです。重症化すると瘻孔と呼ばれる穴ができ、膿や血液が出てくることもあります。
見た目はニキビと似ていますが、化膿性汗腺炎はアポクリン汗腺の多いお尻や脇、太ももの付け根にできやすいのが特徴。
原因として、細菌感染、摩擦や刺激による毛包などの閉塞、遺伝的要因、ホルモンバランスの変化、生活習慣などが関与していると考えられています。
軽度であれば抗菌薬の外用や内服によって治療しますが、重症化している場合は、注射や外科的手術をしたり、皮膚移植が必要になったりすることもあります。
毛嚢炎(毛包炎)
毛嚢炎(毛包炎)は、毛穴に細菌が感染して炎症を引き起こしたものです。毛穴周辺が赤く炎症し、痛みや痒みを伴うため、ニキビと間違えることもありますが、原因が表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌であるという違いがあります。放置すると痛みが強くなり、炎症も広がって、発熱につながることもあります。
太もも付近やお尻など、ムレやすい部位にできやすいですが、他にも、顔や首の後ろ、背中などにできることがあります。
清潔を意識すれば1週間程度で改善することがありますが、外用抗菌薬での治療が必要なケースもあります。また、より重症な場合は内服抗菌薬を使ったり、切開して膿を出したりすることもあります。傷跡が残る恐れがあるので、早めの対処が重要です。
脱毛や毛の手入れでできることが多いので、道具を清潔にしておくこと、それらの後には清潔や保湿を意識することが大切です。
タコ・ウオノメ
タコとウオノメはいずれも皮膚の角質層が一部分だけ硬く厚くなった状態です。体が摩擦や圧力に対して皮膚を守ろうとしてできるとされています。
タコは広範囲にわたって皮膚が厚くなり、ウオノメは硬い角質の塊が中心に芯となって形成されるのが特徴。ウオノメは、歩行時などに痛みを伴うこともあります。また、タコは体のいたるところにできることがありますが、ウオノメは足裏にできることが多いです。
いずれも削ったり、外用薬を使ったりして角質を柔らかくすることができますが、患部への刺激が繰り返されると再発に繋がるので注意しましょう。
粉瘤
粉瘤は、毛穴の詰まりや外傷が原因で皮膚の下に袋ができ、その中に角質や皮脂が溜まってできる良性腫瘍です。一般的に痛みはありませんが、感染を起こすと痛みや赤み、腫れが生じることがあります。
ニキビは触ると硬いことが多いですが、粉瘤は触ると柔らかく、皮膚の下に動くような感じがあること、また、皮膚に丸いこぶのように現れ、その中心には黒い点が見えるのが多いことなどが特徴。この黒い点は、袋の出口で角質や皮脂が詰まっているために黒く見えるものです。
粉瘤の治療は手術で摘出することが確実なので、早めに受診したほうがよいでしょう。
接触皮膚炎
接触皮膚炎は、いわゆるかぶれのこと。特定の物質と接触することによって引き起こされる炎症で、アレルギー反応によるアレルギー性接触皮膚炎と刺激物による刺激性接触皮膚炎の2種類があります。日常で使う化粧品や洗剤、植物、ニッケルなどの金属が原因になることがあります。
接触皮膚炎は、皮膚に小さなブツブツや水ぶくれが現れ、赤み、かゆみのほか、痛みを伴うこともあります。重症の場合は、皮膚がただれたり、かさぶたができたりすることも。
治療は、炎症やかゆみを抑えるためのステロイド外用薬を使用します。かゆみが強い場合には、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬を使うこともあります。
蕁麻疹
蕁麻疹は、皮膚に一時的に発疹が現れ、かゆみを伴うものです。かくことでみみず腫れができることもあります。原因はアレルギー反応や体内の刺激物質(ヒスタミン)の放出が原因。食べ物やお薬、ストレス、感染症などが引き金になることがあり、誰にでも発症する可能性があります。
また、蕁麻疹の多くは一過性であり、数時間以内に跡形もなく消えることが多いですが、症状が数日続くことも。6週間以上続く場合は「慢性蕁麻疹」と定義されています。
蕁麻疹の治療の中心は抗ヒスタミン剤の内服です。これにより、ヒスタミンの作用を抑え、かゆみや発疹を軽減します。アレルギー反応を抑えるために抗アレルギー薬を用いたり、重症の場合は、ステロイド外用薬が使用されることもあります。
水虫(足白癬)
水虫は、カビの一種である白癬菌に感染することでかゆみや小さなブツブツ、皮むけなどが生じるものです。白癬菌は温かく湿った環境を好むため、足や爪などに感染しやすいです。
水虫の治療には、抗真菌外用薬を使います。放置したり途中で治療をやめたりすると、いつまでも治らず、他の人に感染させることもあるため早めに治療に取り組んだほうがよいでしょう。
掌蹠膿疱症
掌蹠(しょうせき)膿疱症とは、手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが繰り返しできる慢性皮膚疾患です。水虫にも似ていますが、次第に白く濁り、膿が溜まることがある点が大きな違いです。また、膿疱が破れると皮膚が剥がれ、赤くただれた状態になることもあります。これが繰り返し発生し、強いかゆみや痛みを伴うこともあります。
できる場所も症状も異なるため、ニキビと間違えることはあまりないでしょう。原因も大きく異なり、掌蹠膿疱症は免疫系の異常が原因とされ、慢性的な感染症や金属アレルギーが関係していると考えられています。
治療としては、ステロイド外用薬やビタミンD3製剤などを使用して、炎症やかゆみを抑えます。改善しない場合は皮膚の炎症を抑える目的で光線療法を行ったり、重症の場合は、免疫抑制剤などが使用されたりすることもあるなど、治療法は多岐にわたるため、早めに受診を検討しましょう。
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また、足にできるできものは、ニキビではない可能性も高く、種類によって治療法が異なるため、早めの受診が大事です。クリニックフォアではニキビのオンライン診療や対面診療も行っているため、こちらの受診もご検討ください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。※自由診療
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
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